KICKS試乗記


2020年6月にデビューしたKICKSスに試乗した。日産のラインナップとしてはJUKEの後継らしく、
JUKEはカタログ落ちした。
このクルマは、ノートやセレナ等で実績を積んだe-POWERとProPILOTが装備されている。
ただしV37スカイラインに搭載されたProPILOT2ではない。車格を考慮したものだろうが、こういう
先進的な機能はいろいろな車種に搭載して洗練させ、コストダウンしていただきたい。

グレードはV2つしかなく、それも内装の違いで、カタログを見る限りその他は共通に見える。
車両価格はV200万円の後半だが、オプションを多々付けていくと結構な価格になってしまう。
「素」の状態で乗る(買う)人がどの程度いるのかわからないが、これが結構ネックになる気がする。

今回の試乗車は「X ツートーン インテリアエディション」で、高い方のグレード。
色はプレミアム ホライゾン オレンジ。

【エクステリア】

フロントマスクは精悍なイメージ。日産主流のVライン。
非常に良いツラガマエになったが、個人的にはオプションで良いので「日産マークなし」の設定も欲しい。
カタログを見る限り、この点でのオプション設定はなさそう。この大きなエンブレムは好きになれず…。
リアは特に特徴なるデザインではないが、独自の雰囲気を持っている。

【室内の広さ】
運転席は問題無し。
リアシートは、前後は必要充分な余裕はあったが左右の幅で大人3人で座ると少々厳しい感あり。
クルマ全体の大きさを考えたら仕方ないが。ただ過度の窮屈感がある訳ではない。


【インテリア】
ボディは余裕がある大きさだが、着席して見える景色は違和感なし。
e-POWER＋ProPILOTの表示はわかりやすく、直感的に入ってきた。
じっくりと取扱説明書を見て研究してみたい。


ナビは画面もしかるべきサイズであり、たっぷり操作した訳ではないが、直感的でわかりやすく感じた。


【トランク】
ボディサイズから考えたら仕方ないが「ゴルフバックが横に詰めない」ことは自分に取って致命傷。
リアシートを倒して何人分積載できるか、と言うところ。タイヤハウスの張り出しは大きい。
【シート】
綺麗に仕上がったシート。ホールド感等についても問題なく感じた。
ほどよく硬く、適度な柔らかさをも持っている。
リアシートにも座ってみた。前述の通り、ドライバーが降車するために後ろに下がった状態でも
膝前の余裕は充分。自分の体格(身長178cm)の人間が前後で座っても問題ない。
頭上空間も問題なし。



【静粛性】
優秀。
カタログによればe-POWERの制御が進化しているとのこと。
今回は一般道と高速の双方を試してみたが、エンジンサウンドが違和感なく入ってくるので
電気自動車である気がしない。またモーターだけの時とエンジン発電中の時がシームレスに
制御されている。
【ミッション】
試乗中に変速ショック等のガサツ感は皆無。
毎回恒例にしている第三京浜に入った時の強めの加速。
もちろん「爆発的」とはいかないが、リニアに速度が伸びていく。室内への進入音は良く
抑えられている。


【パワー】
必要充分と感じた。
運転席に座った時、ボディが大きく感じられたが、それをものともせずに加速していく。
絶対パワーは低いが、普通に取り廻しているとしたら必要充分。
大人二人の乗車だったので、フル乗車でどうなるかとわからない。


【総論】
日産の新しいSUVとして誕生。良くできたクルマだと思う。
特にe-POWERはより洗練されたことが体験できた。Pro-PILOTも同様。

自分が購入するか、これは難しい。
ファーストカーとしてではなくセカンドカーとなるが、やはり価格が問題になりそう。
多数の機能を搭載しているので仕方ないが、300万円前後で購入できるとよい。
あと、SUVなのに4WD設定がないことも気がかり。雪国で販売台数を伸ばすには必要な設定だと思う。
追加モデルが出るのかもしれないが。


（2020.07.12 記）


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